ひとりごと

煙草に関するあれこれ パイプフィクション

パイプの微妙な差異

(↓所詮パイプを作った事もない素人が、目に見える範囲の事だけ、知識もなくテキトーに書いてるので、あまり参考にもならない文章です)

 

パイプは、細部の微妙な違いが、ずいぶん味に影響する。

 

昔、まったく同じシェイプをものを2つ買って試してみた事がある。スピゴットだったが、その内の1つは、木目が綺麗ということで値段が高かった。

ところが、その値段の安い方が煙草の味が美味い。造りはまったく同じだ。どこが違うのは、あちこちよく確認してみた。唯一違ったのは、マウスピース側の穴が、少し値段の高い方がごくわずかにズレていた。目で確認できる違いはそこしか見つける事が出来なかった。まあ、他にも、色々味に違いが出ると思われる要素はあるが、目視で確認できる事ではないので・・・。

 

値段の高い方が、木目は綺麗だが、内部の工作精度は低かった、というお話。ただし、ズレているといっても、許容範囲というか、2万くらいのパイプだったので、それくらいのズレはあることもあるというか。それが味にどれくらい関係しているか不明だが、値段の安かった方が、明らかに味が出て美味かった。

 

完璧なパイプというものに、まだ出会っていない。お気に入りのシステムパイプが何本かあるが、1つは、シェイプも好き、味もいい、何もかも良いが、買った時からダボ穴(モーティス)にパテが塗られていて、「ああ、ここさえ完璧なら・・・」と惜しかった一品。他のシステムパイプも、50年も前のものなのに、ほぼ新品と間違えるくらいの綺麗さで、味も良し、ズレもない。やっと完璧なパイプに出会えたかと思ったら、ジュース溜まりがやや煙道の穴にかかっていて、傾けたらジュースが煙道に入り易くなっている。これも不良品とまではいかない、許容範囲の工作ミス(ミスとはいえない程度のミス)。一応ちゃんと使えるし、検品も通るくらいの感じだろう。でも、ほんのちょっとした差で、使う時の使い勝手が変わってきたりする。ただ、どちらも相当なお気に入りで、大切に使っている。

 

パイプは、本当に微妙な要素で、使い勝手や味が決まってしまうので、完璧なものが欲しいなら、作家物を、ということになる。

平均7万~10万くらいの価格帯の作家で、素晴らしいエンジニアリングと評判の作家ものを買った。確かに手にとった感じ、完璧。何も言うことがない。目に見えるところは、寸分のズレもなく、シェイプバランスもいい。ところが、喫いはじめたら、マウスピースが抜けなくなった。アーミープッシュタイプなのだが、あまり強く差し込み過ぎるとすぐに抜けなくなるので、ある程度の力加減をすることになる。ふつうのファクトリーもので、こんなにキュっと押し込んだら抜けなくなるパイプなんてなかった。これも、返品したり、作家本人にわざわざ訴えるほどの事ではなく、まあ力加減を調整すれば普通にちゃんとはまって、ゆるみもなく使えるので、まあ、ヨシとした。

 

こういう風に、完璧なパイプに出会ったと思ったら、どこかちょっとだけひっかかるところが出てくる。あまり偏執的になってもいけないが、パイプには関して、スモーカーはめちゃめちゃ小さいところが気になってしまうと思う。とくに、パイプ入門してすぐのパイプ新人マンたちは、やたらと中間煙道がどうとかにこだわってしまうと思う。

 

煙草を楽しむ事を第一に考えると、はっきりいって、あまり小さなところはどうでもよくなった。

これだけ値段の高いものを買っても、いろいろ試しても、どこか、許容範囲なんだけど、ちょっと気になる、というところが出てきてしまう。人の手で作ったものだから。よく考えたら、あまりにも完璧なパイプ、というものがあったとしたら、もったいなくて使えないかもしれない。

 

結局、味が美味しいとか、形がすごく気にいっているとか、手にもった感触が好きで・・・とか、気に入っている部分があるだけで〇なのだ。