まず順番として、自分の好みに適合するパイプと出会うようになるには、まず自分の好みの煙草がわかっていたほうがいい。
好みの煙草→合うパイプ
の順番になる。
これは初心者だった頃の自分に言いたかったことなので、書いてみる事にした。
パイプタバコというものと出会ったばかりの時期は、興奮してしまって「こんないいものがあったなんて」と思い、ネット情報や、聞きかじった事を真に受けて、「1回使ったら1日乾かす必要があるなら、パイプはたくさん持っておかないと」「連投したらパイプを痛めるなら、パイプはたくさん買わなきゃ」と、欲にまかせて、パイプを買いまくってしまった。まったくの無駄だった。
後年、自分は初期の頃、そうして、買いまくったパイプのほとんどを売り払う事になった。なぜなら、その頃には、好みのパイプ葉も、好みの喫い方も変わってしまったからだ。パイプとパイプ葉の相性がある以上、まずは好みの煙草葉があって、自然とそれに合わせてパイプを選べるようになった方がいいと思う。
最初のころはひどかった。パイプの選球眼がまったくない状態で買いまくっていたので。無銘のパイプでも、「いいな」と思えるようになるまで、自分の趣味嗜好がわかってくるまで、けっこう時間がかかった。パイプ界隈で評価の低いメーカーなどは、最初は真に受けてしまって敬遠していたが、自分の喫煙スタイルにぴったりとはまるので、買いだ、と気付けるようになったりもするまで、わりと時間がかかってしまった。そういう誰かの言うことばかりを情報源にしていた時期が2年くらい続いて、その後はもう自分で選択できるようになっていた。1~2年の初心者期間に無理をしないなら良かったと今は思う。
最初の1~2年は、パイプなんて安いビリヤードを2本くらい持っていれば良くて、その2本を徹底的に、ラフに使い込んで、パイプ掃除とメンテナンスの技術もその安い2本で練習して、ラタキアだろうがバージニアだろうが、そのパイプで使いまくればいいと思う。
それで、いろんな煙草を試してみて、だんだん自分の好みがわかってきた頃に、パイプを集め出せばいいと思う。
また、年を重ねるにつれて、煙草やパイプの好みが変わってきたりもする。強い煙草がだんだん喫えなくなると、むしろ抑制的なパイプの方が好みになってきたりする人もいるだろうと思う。システムパイプを邪道・格下に見ていた人が、お爺ちゃんになって、強い煙草が喫えなくなって、システムパイプにのめりこんだりもするものだと思う。
えらく面倒な話しになってしまった。パイプなんて、あるもんでいい、ある程度喫えればいい、という人がいちばんしあわせかもしれない。実際、そんなに細かく「これはこのパイプ葉に合う」とかいちいち決めて喫うのは面倒だ。私も結局は、毎回手が伸びるパイプは結局数本に限られてきて、お気に入りのパイプでバンバンなんでも喫っている。
パイプと葉っぱの相性なんて、そこまで深く考えずに、好きなパイプで好きな葉っぱを吸うのが一番いいのかもしれない。